時計の電池交換/G-SHOCK DW8200 開かないスクリューバック
2015.7.1お預かりのG-SHOCK DW8200/1294。
このモデルの電池交換メンテナンスは珍しくなく。
ですが「裏蓋(スクリューバック)が開かない」という初体験をしました。
ベゼル・カバーは外した状態で到着。
裏蓋はスクリューバックで裏蓋記載。いたって普通です、錆びたり痛みが激しい訳でも無く。
スクリューバックを回すのに固いことは間違いなく。
オープナーに全体重を掛ける方法で開けますが。
チタンの裏蓋の方が工具の爪でえぐり取られ。
ハンマーで叩いてもチタンが凹むのみで裏蓋は微動だにしない・・・・???
何故?。内部は強烈に錆びて居るのか?
スクリューバックを固定し支える「スクリューバック用・バイス」。
かなり使い込んではおりますが。
キズ防止のプラスチックが圧力で押し潰れてしまいました。
バイス代(7.800円)の損害。
何度もチャレンジしますがチタンの裏蓋が「更に凹んだり」「えぐられるのみ」で
スクリューバックは微動だにしない。
数日”5-56を染みこませて”。再チャレンジしますが微動だにしない。
そこで、お客様には「返却のメール」をすることに。
これ以上はお客様からみても「一体、いつまで掛かっているのか?」と
疑心暗鬼にさせるだけですから。
ただお客様にしては返却されても「時計として使う事も出来ない」
また「この、キズだらけの状態で電池交換を受け付ける店も皆無とは思いますが」
そこでお客様には返却の旨と。「見るも無惨なキズだらけを了承」頂ければ
5-56を染みこませて、何日でもチャレンジすることは可能という了解を得て
納期無期限でチャレンジすることに。
チタン素材がめくれ上がって、開いても腕に付けることは不可能な状態。
ただ、中古の部品取り用G-SHOCKがあるので「裏蓋のみ移植は可能」
ただ固いだけでは無く作業した感触では
「強力な接着剤を塗ってからスクリューバックを閉めた感じにも」
そうであるなら回しても開かないでしょう。
と!横から見てみるとチタンのフタと黒いステンレスケースの間に隙間が??
しかも全方向に。これは何かと言えば「余りにもの固さにはめ込みタイプを疑ったか?」
私と同じ様に「接着剤固定を疑い。
「こじ開け工具で突いて接着剤に亀裂を入れようとしたか?」
となると後は「スクリューバックとして回すのみ!」
4日間、毎日5-56を塗ってはスクリューバックを回転の繰り返しで開きました!
スクリューバックが若干、動いた時は感動さえありましたが。
このキズがこじ開け工具で突いた跡ですが。この行為が裏蓋を変形させて
スクリューバックの回転(滑りを悪くさせた訳です)。
チタンとステンレス・ケースでは硬度が違うために滑りが悪いと食い付いて
噛み込んでしまった訳です。
5-56が切られた溝に達するまでに日にちが掛かったという事か?
裏蓋を開けるとスペーサーがムーブメントを覆っています。
しかし「サビも無く」「パッキンが溶けて接着剤の役目をした訳でもなく」
まして「接着剤が塗られていた訳でも無い」
これが取り出した液晶&ムーブメント。
こちらは液晶側。
ケースの内側もチェックしますが異常は無し。
5-56でベタベタですがケース内部にまでは及んでいない。
部品取り用G-SHOCK。
この裏蓋を移植します。
キズも付きましたが油まみれなので新しい裏蓋を装着して。
裏蓋を閉め洗浄レベルでの水漏れは無いかチェックします。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
外したパーツを戻していき電池を入れて動作確認。
表示確認して。
ELライト点灯確認。
裏蓋は交換して電池交換メンテナンス完了です。
元の裏蓋はこちらでも不要ですから同梱します。
裏蓋が潰れるくらいの力を掛けても動かないという経験は長い時計屋生活でも初めて。
ある意味「良い経験をさせて頂きました」(-_-)