機械時計のメンテナンス/OMEGA SPEED MASTER クロノグラフ 手巻

2012年15月日お預かりのOMEGA SPEED MASTER クロノグラフ 手巻メンテナンスです。

ついでのベルト調整もご依頼で「1コマ足し」。3コマの余りコマを同梱です。まずはメンテナンスが先でラグ部を外します。

裏蓋を開けると耐磁プレートがムーブメントを覆っています。

これがムーブメントで。

ムーブメント拡大。

竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。

竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。

これが取り出した文字盤&ムーブメント。

巻芯が通る穴の左側が大きく錆びておりますが、動作には影響が無いレベル。ただ気になりますが錆びた粉をムーブに入れてもいけませんから触らないようにそっとですか。

ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。

綺麗になったケースにムーブメントを戻して。

外したパーツを戻していきます。

全体的にツヤが出て綺麗になったところでベルト調整。

洗浄して綺麗になりました。

ラグ部も弓環も洗浄して綺麗になりました。

ベルトはバックルを外さずに繋がったまま洗浄したのに2本に。良く見るとバックルの丁番が外れている。本来は外れない箇所ですが洗浄器の底をさらってみたらピン(ただの棒ですが)出て来ました。

ピンが摩耗して抜け落ちておりますから。軽くかしめ。さてベルト調整ですバイスにセットして工具で打ち抜きますが微動だにしない。そこで「5-56」2昼夜浸けて再トライですが。

やはり微動だにしない。おまけにコマが分解状態になって隙間が空いております。この状態から普通なら「ブレスの交換で38.000円」ですか。

でも他にも分解修理でご依頼ですし無碍にそういう訳にも。隙間が出来たなら分解してみようかと。

何とか抜けないピンの箇所まで辿り着きましたが。この状態になっても抜けませんから「コマの穴=Cリングパイプ=Cリングピン」がサビで一塊になっております。やはりブレス毎の交換しか無理か?

ダメ元で一塊になったピンを触るとポロリ。はて困った、でも余りコマはある訳で。

一番端は普通にピンが抜けましたのであまりコマと交換。これで半コマ分、大きく出来ました。

先ほどポロリと折れた箇所ですが膨張してコマが立てにヒビ割れている。何とかこの部分のコマを壊して除去。

分解して途中何が何だか分からなくなって頭の整理。余りコマの1コマと壊したコマで半コマ分作って。

繋いでご希望の「1コマ分追加」完了です。

余ったコマはもう使えません。

ベルト調整に半日以上を要した事になります。普通なら断るベルト調整ですか。これ出来たから良いようなものの。出来なかったら「叱られて謝る」+(弁償?)という悲惨な状況になりますから紙一重の作業ですか。

「器械時計洗浄一覧」 「電池交換一覧」