オールド・クォーツは受付中止しました。(分解修理・電池交換)

私の「オールド・クォーツ」の定義ですが。(曖昧ですが)
※ クォーツ初期モデル。
※ 電池がSR43SW等の大きな分厚い電池で、1年しか持たない時代」
※ 職人では無い私ではムーブメント取り出しに手間が掛かりすぎる。
※ 1970年代、以前の時計で30.000円以上していた腕時計。

以下、説明してもご理解頂けない様なので「受付中止」と致しました。
修理後、数ヶ月で止まる可能性や大きな誤差が出ても
「NC・NRで弁償・返金は求めません諦めます」というご了解。
何か起こった時は修復は試みますが別途、修復費用10.000円程度までは了解済み。
(10.000円は修理ではありません、サビ取り等の手間代です)
お客様への了解や見積もり連絡は不要という事で受付可能となります。

「手間だけ掛かって売上にならない」ですから関わりたく無いのが本音です。
音叉時計・電子時計(電池のテンプ式)も同じです。

先ずオールド・クォーツの電池交換メンテナンスについて。
防水機能に重要な役目を果たすパッキンですが。
電池フタ(小さなコインで回す蓋)パッキンは殆どの場合硬化して使えません。
交換するにも純正品など、ある訳もなく代用品です。
適当に合う物で入れますから「無いよりはマシ」程度の効き目です。
(それさえ2016年現在ではありません)
型番で問い合わせされましても、返答のしようもありません。
まして文字盤周辺のパッキンは形状や厚みが特殊な物が多く代用品さえありません。
オールド・クォーツは「”観賞用”としてしか使わない事を前提」で作業しております。
ムーブメント取り出しの時にパッキンが破損した場合は、除去です。
組立はパッキン無しで完了としますから使用目的の方は依頼しないでください。
観賞用と書いて頂き・費用は5.000円以上でアフターは無しで宜しければ。

続いて「オールド・クォーツ」の分解修理。

クォーツ時計の修理は「分解修理」と「電子部品交換」で成り立っております。
「水が入った・油切れ・衝撃で歯車が噛んだ」程度は分解修理のみで動きます。
つまり歯車部分の修理です。
発売10年以内くらいの時計ならそれで直ります。それが10年以上経つと
「電子部品(分かり易く言えばハンダ付けされた基盤やメモリみたいな物)」に
不具合を起こします。
電子部品の役目は小さな電池を1〜2年持たすために電流調整などをしております。
これが不具合を起こすと電池が数ヶ月で無くなったり。
小さな基盤部品ですから内部で断線すると電池を替えても電流が流れません。
これを我々「回路不良」と言いますが、よく。
「では回路の修理も宜しく」と言われます。”回路の分解修理は不可”です。
回路はまるごと交換しか手段は無く。
手作業でハンダを使って不良箇所を修理できる様なサイズではありません。

発売から10年〜15年くらいの物は「電子部品の交換」で対応出来る物もあります。
これが15年以上ともなるとさすがに「交換パーツが無い」(オールド・タイプ)
(現在のもので代用するパーツが存在しないのです)
よって探して見つかったとしても、それは新古品(40年とか経過した部品)です。
また「ムーブメント交換」は不可能と思ってください。
古いムーブメントはすでに無く最近のムーブで代用も不可能です。

普通「オールド・クォーツは受付しておりません」
それは「分解修理で動いても直後に電子部品が不具合を起こせば諦めて頂くしか無い」
よって、お断りするしか手段が無いわけです。

つまり「分解修理で20.000円とか頂いて、数カ月後に止まった時」
費用は無駄になりますが諦めて頂くしかありません。
オールド・クォーツは”回路が生きているかどうかが鍵”となります。
古いものでは無くても「浸水したムーブメントは回路不良を起こしやすい」です。
汗とホコリでコテコテになった物も。
内部が曇ったくらいは良いとしても浸水で不動になったムーブは
分解修理で動いても、数カ月後に回路不良で止まる事が多いです。
(諦めて頂くしかありません保証も返金も不可ですからご注意ください)

また分解修理を進めていくウチに、カレンダーの送りに不具合が見つかったり。
分解が進んだ時点で初めて回路を外して意外なサビが見つかることも多々。
実際、分解修理は完了し、動作は問題はありませんがカレンダー送りの
歯車が摩耗していたり、作業により触った事で刃先が欠けて「カレンダー送りが不良」
になってしまったママ「分解修理・完了」となる事も事例としてありました。
職人さんも”ほぼ作業が完了してから”完璧ではないから費用は頂けない。
そういう事があるなら「古いものは最初から触らずお断りとなります。」
「兎に角、時計に備わった機能は全て使える様に」というご希望では
お断りするしか無くなるでしょう。
「年差クォーツの精度が出ていない」「ハック機能の針の位置ズレ」等々。
「防水機能は何処まで大丈夫ですか?」こいうご質問などは論外と思っております。
ガラスパッキンなどは特殊な物が多く。交換するにも部品がありません
「防水機能が極端に落ちていてもOK」「観賞用でしか無く使用はしない」前提でお渡します。

それを納得頂き、動くところまで動かして全うさせたい。
というお考えであれば分解修理・電池交換メンテナンスの受付は可能です。

「ノークレーム」で「弁償には応じることが出来ない」「壊れたら諦める」で
宜しければ受付致します。
また何かあれば修理センターさん頼みになり修復出来た場合ですが
洗浄が出来た場合は「4.500円コースとなります」。

以下「余談」

1980年代、以前のクォーツは高級品の時代で大量生産では無かったので
「コイルや回路は部品管理」されておりました。
管理されていても古い部品はもうありません。
有ったとしても30年以上経過した新古です。
時計業界の常識では古い電子パーツの「代替え部品の生産はありえません」
2016年現在、変形カットガラスは対応出来る様ですが
カット形状・厚みなどは替わります。

サイトで「オールド・クォーツの電池交換例・分解修理例」を紹介しておりますが。
「分解修理のみで動いた例」です。
実際、修理後の数ヶ月で「回路不良が起こり」諦めて頂いた事例も多々あります。
勿論、古い物は「分解修理&回路交換」までして不動になった事も一度あります。
先にも説明の「回路交換しても40年以上前の在庫(新古)パーツだからです」

かつてはオールド・クォーツなどをご依頼される方は
「時計を知る方」が申し込みをされており、回路パーツの問題は
暗黙の了解を頂いていた免責事項です。

それが最近、スマホの影響でお申し込みが急増しており。
嬉しいことではありますが、反面。
時計の知識が無い方でも「あの店、良かったよ」だけのクチコミで
情報や注意書きを読まずに申し込まれてトラブルが起こっております。
こちらとしましても、ご紹介頂いた方の顔を潰す事になっているようで
心苦しいところでもあります。
またオークションで「ひとつオールド・クォーツ」でも買ってみるか。
と安易な気持ちで購入され、洗浄や修理のご依頼をされる方も多い様です。

オールド・クォーツのお申し込みは「断っております」。
でも申し込みの品名が「セイコーメンズ」だけで到着する事も多々あり。
お申込時点で食い止めるのは実質不可能になっております。
到着してから長い文章をタイピングできませんから、このページを作りました。

修理後、数ヶ月で止まりや誤差が出ても
「NC・NRで弁償・返金は求めません」諦めます。
何か起こった時は更に、修復費用15.000円〜程度は了解済み
問いあわせ・見積もりも不要という事なら受付可能です。
詰まりは受ける意思が無いと捉え頂いて問題ありません。

2013.8月以降、無責任な対応に了解が無いと受付できない例の紹介

「オールド・タイプ」もページ追加。