時計の修理受付例/Cartier Automatic カルチェ 自動巻
Cartier Automatic カルチェ 自動巻OHの依頼です。
4本届いたうちの1本。
薄型に見えますが自動巻ムーブ。裏側に出っ張った箇所にムーブを収めて薄く見せる訳です。
バックルの表側チェック。裏側もチェックしますが強烈ですね。
問題は裏蓋なのですが・・・ワンピース構造。
そしてネジを外せば筒状になっていまして。裏側にネジが切ってあります。
ベゼルのネジが裏側まで貫通して固定されています。
ネジを緩めるとこの状態。
外していきますが。
最後の1本が錆び付いてビクともしない。(;_;)
結局1時間くらい格闘していましたが、この1本のネジの為に開けられず、このまま職人さん送りに。よってムーブメントも拝めないし、ケースの洗浄も出来ない結果になりました。
職人さんがデジカメで撮ってメールに添付して送る事が出来れば、こんな場合も困らないのですが仕方がありませんね。
さて職人さんは、この錆びたネジをボーリングして削ってしまいます。当然、純正品は入らないですから、あらたにネジを作って貰う事になります。
これが作って入れたネジですが「別作した事が分からないでしょう」と。
確かにオリジナルに見えますね・・たいしたものです。
今回の修理は定期メンテナンスの意味でのお預かりでしたが、良い時期だったかもしれません。これ以上錆びたらムーブメントを取り出すのにネジを全てボーリングすることになったやも?。
今回はムーブメントの写真がありませんが、簡単な裏蓋では無い構造ですから直って来た腕時計をムーブメントの撮影をする為だけに、開けるのはリスクが大きいです。