時計の修理受付例/TAG HEUER WG1212-KO
2012年8月30日お預かりのTAG HEUER WG1212-KO電池交換メンテナンス&分解修理&夜光入れ&かしめ修理(溶接修理)のご依頼です。
ブレスは緩んでありバックルは溶接離れ。メーカーでは見積「85.000円」ということですが「ブレス新品交換(35.000円)+ムーブメント交換(分解修理扱い)+文字盤&針交換」ですからそのくらいは掛かります。
コマの隙間の汚れ具合、こういう所からからも「防水機能必須の使用者」とみられます。バックルの汚れもチェックします。
裏蓋はスクリューバックで右が裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックして。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これが取り出した文字盤&ムーブメントですが浸水で不動。そして針の夜光に湿気が染みこんで黒い状態に。
回転ベゼルの隙間をみても汚れがビッシリ。この汚れをみたらメーカーでは「ケース交換」も見積入っているかもしれません。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
パッキンは交換してシリコン塗布をして裏蓋に戻します。全体的にツヤが出て綺麗になったところで。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。そしてブレスは外して本体は職人さんに託します。
ブレスは「(株)リペア」様。へ送って戻って来ました。
私のかしめ修理は、どちらかというと”ガチガチ気味”ですが、リペアさんの溶接修理では遊びのある箇所は残します。外れる事は無いようですがベルト調整用の箇所と言う事ですか。
ブレスト本体が戻って来てつなぎ合わせて完了。分解修理されて針の夜光入れも。新品には見えなくとも使用するぶんには問題なし。メーカー修理の半分にもなりません。
と8月のお預かりでしたが12月に「かしめ修理したにも関わらず外れた」という事で再預かり。
外れた箇所は一箇所ですが全体的に緩んでおります。
1コマずつ分解してみると、ピンの先端の摩耗が激しい。やはりこの状態ではかしめ修理では無理がある様です。同じ様な事が先日にもありましたが。
今回の例からも今後の預かりで「ピンの先端の摩耗が激しい物は受けない方が無難」と判断した次第。
もうかしめても修復しませんから「コマの交換」です。4コマ交換。それと少しキツのでという事で1コマ追加で計5コマ交換。
反対側のコマも緩んでいる箇所がありますが再かしめ。交換用のコマですが調達コストからいくと「1コマ2〜3.000円」くらいになりますから、費用を抑えるためには無闇に交換は出来ません。
折角、溶接修理したバックルですが噛み合わせで爪が全く効いていない。パカパカ状態ですが何か変形が凄い。これはご依頼には無かったですが溶接修理で12.000円掛けて頂いた意味が無い。思い切って「中古のTAG HEUER完成品」の1本を潰します。そこからバックルだけ外して交換します。
1コマ足したので微調整部分を一つ詰めて。
再修理完了です。