機械時計のメンテナンス/COMOTORON 7804
2015.3.30お預かりのCOMOTORON 7804「電池交換のみ(洗浄なし)1」でお預かり。
メンテナンス・コースのご依頼ですが、オールド・クォーツでは無いとはゆえ。
ムーブメント取り出しにはリスクがあり過ぎる。
こういう時計は「電池交換のみ(洗浄なし)1.550円コース」か
不動であっても「洗浄のみ(観賞用)3.100円」となります。
ガラスの研磨もご依頼でしたが、不可能です。また洗浄すればキズが目立つようになります。
ステンレス無垢バンドに三つ折れバックル。
ベルトごと洗浄でバックルの汚れも綺麗になりました。
裏蓋はスクリューバックで裏蓋記載。
スクリューバック・リングを回すと汚れが浮き上がって来ます。
汚れがビッシリ。
兎に角、触る度に錆びた粉がパラパラ落ちます。99%動かないでしょう。
フリマかオークション等で外観だけ綺麗にされたモノを購入するとこういうモノが殆ど。
こちらは手間が掛かり、机が汚れて困ります。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大ですが、ムーブメント全体に粉を振り掛けた感じ。
パッキンも硬化してパリパリですが、このパッキンはありませんから割れない様にして。
精密機械がこれだけ粉だらけで動くわけが無いという状態。
テンプ周りにも粉がビッシリ。
電池格納部をチェクします。
このままでは、動いたとしても直ぐに止まります。
電池交換を入れてみますがテンプが動き出しました!
ところが秒針は進まない。つまりは歯車までが錆びてギアに粉が?んでいるのでしょう。
このまま「触れませんから返却」とするしか無いか?
でも入れた電池が無駄になりますし費用も頂けない。
返却するにも手間が掛かるので、洗浄代だけ頂く事にします。
動かない時計ですから遠慮無く分解。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。文字盤まわりもスペーサーも粉だらけ。
ケースの内側もチェックしますが。
粉だらけ。
文字盤周りとスペーサーを噴きますが、粉がポロポロ落ちます。
スペーサーを外せば、ボロボロと。
ムーブメントの内部にまで粉がビッシリ。これは分解修理でも職人さんが嫌います。
粉を麺棒で拭きますが、キリが無い。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
スペーサーも洗浄して綺麗になりました。
裏蓋もスクリューバック・リングも洗浄して綺麗に。
瞬間的には秒針が動きますが1分も継続しません。
また、このスペーサーですが加工が施されており。
以前の修理の時に苦労をされた痕跡。
つまりその昔から状態は良く無かったという事になります。
このスペーサーを入れると動きませんから観賞用とする為にも
「スペーサーとパッキン」は外したまま別の袋に入れて発送。
裏蓋のスクリューバック・リングは軽く締めておき。
爪楊枝ででも回せるように。
そうすることで開けてテンプの動きを鑑賞できますから。
分解修理するとすれば20.000程は掛かって、数日の保証も出来ないでしょう。
実質、修理受付は不可となります。